フィジカルアセスメントの達人 「脱水を見逃すな!!」

フィジカルアセスメントの達人 「脱水を見逃すな!!」

 

みなさんこんにちは、呼吸リハビリテーションの達人こと理学療法士の村谷です。

 

本日は脱水に関しての話です。

 

ICUで重症患者を診ていると水分バランスを見るのは当たり前ですが

数字で表されない部分の視診・聴診・触診などのフィジカルアセスメントで脱水を評価することは

とても大切な事です。

 

 

フィジカルアセスメントは簡便で、誰でも今すぐに器具が必要なしにできる

とっても優れた医療スキルと言えます。

特に病院以外での場所で疾病の重篤化の予防、適切な対応をとるためには

間違いなく習得するべき必須のスキルですね。

 

フィジカルアセスメントの「聴診」に関してはコチラもご参考に

聴診 標準化と音の解釈

2018.01.22

 

【脱水の症状】

皆さんは脱水の恐ろしさをご存知でしょうか?

以下に脱水が引き起こす症状を上げたいと思います。

 

 

☑低血圧により脳血流が減少し、ふらつき・眩暈が起こりその結果転倒を起こしやすくなる。

☑脳血流減少や、電解質異常により、せん妄・異常行動・意識障害などが起こる。

☑消化管への血流が低下し、消化機能が低下し、食欲不振・消化不良・便秘などを起こす。

☑尿量が減る事で尿がうっ滞し、尿路感染・尿管結石・腎不全など起こしやすくなる。

☑皮膚が乾燥することでバリア機能が低下し、感染や褥瘡を起こしやすくする。

☑口腔が乾燥することで、口腔内の雑菌が増加し、口臭を起こす。

☑血液の粘性が高まり、脳梗塞や心筋梗塞発症のリスクが高まる。

☑急性的な脱水症では、腎不全・肝不全・心不全などの臓器不全が起こる。進行すれば多臓器不全、敗血症により死に至ることもある。

村谷
ここで一口メモ!

脱水を疑うとき、電解質異常を確認することは大切です。

・体液を維持するための浸透圧を作り出すナトリウムイオン

・神経と筋肉の機能を維持するカリウムイオンとカルシウムイオン

これらが不足すると血流不足による臓器障害に伴う症状、筋力の低下および手足のしびれが出現します。

心臓の動きにも電解質は不可欠なので、不足により不整脈が出現し、心不全を引き起こすこともあります。

臨床的には時々ある原因不明の筋力低下も電解質異常により

引き起こされている可能性もあるため、運動時は電解質のバランスも要チェックです!

 

 

 

 

【脱水を見抜くフィジカルアセスメント】

①体重測定 

健常時からの体重減少率をみます。

3%減少で軽度脱水、3~6%で中等度、10%以上の減少は重度と判定します。

例えば50㎏の人では1.5㎏で軽度、3㎏で中等度、5㎏の減少で重度の脱水が疑われます。

 

②四肢末梢の冷感

脱水時脳血流や各臓器への血流が優先されるため

相対的に四肢末梢の血管を収縮させ、血流を低下させます。

そのため四肢末梢は冷たくなるのです。

ただし手指は外気にさらされている事が多いため、判断が難しいときは

下腿部・足趾なども触診し確認することが大切です。

 

③爪毛細血管の再充血時間

CRTとはcapillary refilling timeの略で末梢循環を評価するもので

爪床を5秒間圧迫して圧迫解除後に再び赤み帯びるまでの時間のことです。

爪先は普段ピンク色をしていますが、圧迫により血流を遮断すると一時的に白色になります。

圧迫をやめると通常はすぐにピンク色に戻りますが、

脱水を疑う場合はこの回復時間が2秒以上かかる場合があります。

 

④皮膚の張り(ツルゴール)の低下

脱水により皮膚が乾燥すると、張りがなくなり皺が増えます。

手背もしくは上腕にて皮膚をつまみ上げてから離し、もとの状態に戻るまでの時間をみます。

健常時と比べ3秒以上かかるようなら脱水を疑います。

 

⑤口腔内の乾燥

唾液の量が減少することにより、口腔粘膜が乾燥します。

特に舌の表面は乾燥により表面が荒くなり、亀裂がはしることもあります。

 

⑥腋窩の乾燥

通常腋窩は汗が出やすく浸潤していることが多いですが

腋窩の乾燥を認めるということは脱水を疑う所見である。

 

 

⑦脈がはやい、血圧が低下している

血管内脱水では循環血液量が少ないため

心拍数を増加させて循環機能を代償している可能性があります。

 

 

⑧意識レベルに変動がある。

いつもと様子が違う、落ち着かない、変な行動をとるなども脱水から来るものかもしれません。

 

⑨尿量が低下している

おしっこが少ない、例えば数時間出ていないのは中等度の尿量低下、半日でないのは重度だと言えます。

 

 

村谷
ここで一口メモ!

離床する時は臥床状態から下肢を下に降ろすため重力に従い下肢への血流が一気に増えます。

そのため、脱水傾向の患者は急激に脳血流が低下し、起立性低血圧を引き起こす可能性があります。

離床する前は足関節の底屈・背屈を行い筋収縮を促し静脈還流を促す

深呼吸により胸腔内を陰圧にして静脈還流を促す

弾性包帯を巻く、段階的に徐々に離床していくなど

離床を安全に行うための工夫をしましょう。

 

 

脱水は臨床的にもよく遭遇する症状なので

見逃さないように今回はフィジカルアセスメントにて押さえておきたいポイントをお伝えしました。

 

参考文献

呼吸理学療法の基礎にして超絶な分かりやすさ!!何年たっても色褪せません!!

 

 

 
フィジカルアセスメントがここまでわかりやすく載っているのは凄いです!!

最後までお読みいただきましてありがとうございました!

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

クライエントの目標達成に全力を尽くすプロコーチ。 モットーは「信頼」。 3姉妹の父親であり、幼い娘たちに翻弄される毎日。 Facbbook、Twitterでの友達申請・フォローお待ちしています!!