聴診 標準化と音の解釈

 

【聴診 標準化と音の解釈】

 

①聴診は間違いなく大切

 

こんにちは。認定理学療法士(呼吸)&TCS認定コーチの村谷です。

 

本日の呼吸ケアのテーマは「聴診」です!!

 

聴診ってフィジカルアセスメントでもとても大切なものです。

特に痰の位置の確認や換気の状態、空気の通り道がどうなっているか、胸水の貯留や無気肺の有無、片肺挿管の有無など、様々な情報がわかるすばらしい技術なのです。

 

今回のテーマは聴診だけに、しっかり聞いてくださいね(←上手くない笑)

 

②異常音の標準化

突然ですが、みなさん患者さんの呼吸音聞いていますか?

 

ついつい聴診っておろそかにしていませんか?

 

そして聴診後に情報伝達きちんとできていますか?

 

申し送り時にモゴモゴしちゃって先輩に怒られていませんか笑

 

「私はこう聞こえたのに、記録にはこう書いてあった」なーんてこと多くないですか。

音を文字にして表現することは、非常に難しく同じ表現ってなかなかでてきません。

なので、聴診における異常呼吸音を分類し,標準化することで情報共有をする必要があります。

 

 

 

そもそも聴診って苦手意識を持っている人が多いような気がします。

でも異常な呼吸音は「4+1」の5つ 標準化した基準で評価することがきちんとできれば、何も難しいことではないのです(←これめっちゃ大事!!)。

 

もちろん聴診だけで気道・肺内の状態を推察するのは難しいですが、推論のサポートにはなるはずです。そして緊急の事態には素早くできる聴診技術は必須であると言えます。

呼吸ケアに携わる方ならわかりますよね?

 

 

でもこんなに手軽で有益なスキルを身につけないなんてもったいなさすぎます。

 

さあ、一緒に勉強していきましょう!!

 

③聴診部位を確認しよう!

基本的には聴取する部位として上葉・中葉(左は舌区)・下葉を意識しましょう

正面図

正面図

上葉:鎖骨中点の下

中葉:乳頭の内側下方

 

☆ワンポイント豆知識☆
肺の一番上の肺尖部を聴取する場合は鎖骨より上(第一肋骨よりも上)の部分を聴取します。

 

背面図

背面図

背面図

 

下葉:背骨と肩甲骨下角周囲で結ぶ周辺(←大雑把!!)

特に病変があるのはS6・S⒑のあたりは必ず聴取していきましょう!

 

 

気管支の走行に関してはこちらの記事をご参考にしてください。

気管支の走行知ってる?

2017.10.12

 

 

④正常・異常呼吸音の分類

 

基本的には正常呼吸音をきちんと押さえていなければ、どれが異常音なのかわからないですから。まずは正常を知るということですね。

☆ワンポイント豆知識☆

なぜ中枢の音に比べて末梢の音は小さく聴こえるか知っていますか?気管は太いので空気の流量は多くガーっと入ってきて空気は渦巻くように動くので音が大きく聴こえるのです。反対に末梢は空気の通り道が当然狭く、流れも弱く直線的になるため音も小さく聴こえるのです。

 

 

呼吸音の減弱や、逆に気管支にくらべ肺胞呼吸音のほうが増強して聞こえるなど、音の響き方の違いもなんらかの病変が隠れている可能性がありますよ。

 

⑤副雑音の分類

 

 

みなさんを悩ましているのはおそらく副雑音ではないでしょうか?

異常な呼吸音を副雑音といいますが、これは通常の呼吸音に異常音が加わった ものです。

 

分類すると断続的(細かい・荒い)と連続的(高い・低い) の4つと、肺のなかではなく, 胸壁の表面近くで,胸膜表面同士がこすれ合うことで起こる胸膜摩擦音とに分けられます。

 

簡潔に言うと、実際に異常な呼吸音の分類 は「4+1」の5つしかないと言えます.

 

どうですか?簡単ではないですか??

 

⑥聴取した異常呼吸音への対応

 聴取した異常呼吸音によって対応はまったく異なります。

大切なのはなぜこの異常音が起こっているのか原因を考えることですね。

 

細かい断続性の場合、末梢の肺胞レベルで異常が起こっていることを意味しているといわれています。肺胞は健常な状態であれば、ゴム風船のように音もなく膨らみますが、肺胞が線維化して弾力性を失うと、硬くなったゴム風船を無理にふくらまそうとしたときのように「パリパリ・チリチリ」という細かい破裂音が聞こえます。間質性肺炎の方なんかは分かりやすいですよね。

 

 粗い断続性の場合は、肺水腫や肺炎などが原因で気道内に水分が増加するため、気泡が破裂したような水泡音として聴取できます。この場合、気道内に貯まった水分を排出したいなとなるわけですね。

 

連続性副雑音は誤嚥や腫瘍の増大、気管支喘息などの要因で、気道が狭くなり閉塞していることを意味しています。そしてその閉塞音が延長してくる場合は危険を意味します。つまり低音性の連続性から高音性の副雑音に変化してきた場合、気道の狭窄が進んでいることがわかります。さらに進行し、音が聴こえなくなった場合は、完全気道閉塞の可能性もあるため、早急な対応が必要となります。怖いですね。

 

⑦いつ異常音が聴こえるのか

 

吸気初期だと空気が気管に入ったすぐ→中枢気道周辺の病変

吸気終末だと気管に空気が入ってしばらくしてのもの→末梢気道周辺の病変

だと考えてもよいでしょう。

 

⑧その音聴こえるはずのもの?音の聴こえるべき部位も確認

 

肺胞呼吸音はそもそも呼気には音が聴こえないはずが、なぜか聴取できる時ありません?
こんな聞こえるはずのない音が聴こえる時は要注意です。よく病変がある部位としてS6・S10の下葉部分が挙げられますが、ここでは普通呼気に音が聴こえるはずがありません。しかし呼気にも音が聞こえるということは、音が何らかの影響で響いているということが考えられます。ここで考えるべきは胸水や肺水腫など「水」に関するものです。「水」は音を伝えやすい性質のため音が響いて聴こえるのです。また水云々だけではなく、異なる組成の組織(空気と水・空気と肥厚した軟部組織)に音が伝わったときもその抵抗の違いによって音が変わる「音響インピーダンス効果」も関係してくるため、無気肺でも中枢気道の音が末梢まで聞こえるのは、虚脱した肺胞壁が抵抗となり音が響くと考えられます。

 

引用:フィジカルセスメント完全攻略Book P31 

 

 

というわけで、呼吸音を聴いて痰の貯留を確認し、呼吸ケアで対応できることと言えば「排痰」ですよね。

排痰に必要な技術として「体位ドレナージ」があります。

詳しくはこちらの記事をどうぞ

前傾側臥位です☆

体位ドレナージの実際 前傾側臥位のポジショニング

2017.10.20

体位ドレナージの実際 前傾側臥位編

2017.10.15

 

腹臥位です☆

体位ドレナージの実際 腹臥位のポジショニング

2017.10.21

体位ドレナージの実際 腹臥位編

2017.10.21

 

「排痰」といえば「咳嗽」ということでこちらもどうぞ

排痰に必要な咳嗽

2017.11.22

 

参考図書です☆

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

クライエントの目標達成に全力を尽くすプロコーチ。 モットーは「信頼」。 3姉妹の父親であり、幼い娘たちに翻弄される毎日。 Facbbook、Twitterでの友達申請・フォローお待ちしています!!