拒否患者の肯定的な意図を汲んでいますか

【拒否的な患者】

こんにちは理学療法士&コーチの村谷です。

 

あれは私が理学療法士になりたての頃の話です。

 

回復期病棟にいたときに、急性期からある患者さんを引き継ぎました。

この患者さんは病棟にきてから数日というところで、リハビリテーションや看護師スタッフの移乗などに対して拒否的になっていました。

 

この患者さんは前任のリハビリテーション担当者とは相性が良くとても満足していたようで、事あるごとに

 

「前の〇〇さんはこういう風にしてくれた。」

「そのやり方は○○さんはしていなかったわ。」

 

 

と前任者と私を比較するような発言が多く、正直私は良い気がしていませんでした。。

 

その時表面的には笑顔を取り繕っていましたが、心の中では「自分は自分だから前任者のやり方とは関係ないやん。」と穏やかではありませんでした。

 

シンプルに前任者にやきもちを妬いていたのでしょうね。

その患者さんとのリハビリテーションの時間はいつしか億劫なものになっていました。

 

「今は自分が担当なんだから、私には私のやり方がある」

 

そんな狭くて暗い殻の中に自分が閉じこもり、駄々っ子のような思い込みに捉われていたのだと思います。

 

そんなときにその様子をみていた先輩が「あの人は前任の○○のことをよく言っててお前は面白くないかもしれないけど、それはきっとそこに患者さんの思いがあるからかもしれんね。どんなときでもリハビリテーションは患者中心だよ。」と教えてくれました。

 

 

その時にはっとしました。

 

 

そして「自分のやり方を否定され、傷つく自分を守るために正当化しようとしていた」ことに気が付きました。

 

【肯定的な意図】

その後私は「脳梗塞後の“こだわり”だからしかたがない」と諦めずに、改めて「なぜ、このこだわりが生まれているのだろう?」「こだわることで何を得ているのだろう?」と考えました。

 

どんな状況にあろうと、人の行動には「何かを得るための」意図があります。コーチング的に言うと「肯定的な意図」と呼ばれ、幸せに向かうための意図とも呼べるものです。

 

そもそも医療従事者として患者さんの幸せを願わない人はいません。

患者さんの幸せを願うなら、優先すべきは

 

「自分を守る事」か

「患者さんの肯定的な意図を汲む行動をとる」か

 

答えは明白であり、そこにフォーカスをあてると、すーっと自分の気持ちが楽になりました。

 

自分をみるのではなく、患者さんをみるということですね。

 

その後患者さんに詳しく尋ねてみると、リハビリテーションの時の歩行介助の仕方や、車椅子への移乗動作の介助の仕方などがその時の担当によってばらばらであり、非常に不安で怖いという事で怒りをあらわにされていました。

 

前任者はそこに気が付いており、移乗の方法などを急性期病棟で統一するようにしていたようで、その対応が患者さんの信頼を得ることにつながっていたようです。

 

それを聞いた私は、すぐに病棟スタッフと連携をとり、歩行介助の仕方や、移乗動作の方法を統一して安全・安心してもらえるようなやり方を患者さんと一緒に考えました。

歩行介助の方法は動画撮影し、他のセラピストと情報共有し、また、移乗動作に関しては床にテープを貼り、車椅子の置く位置や患者さんが安心できる介助の手の入れ方、移乗時の声掛けなどを統一しました。

 

すると患者さんはどのスタッフに対しても笑顔で移乗動作や歩行練習に協力して積極的に行うようになってくれるよいになったのです。

 

そして、自然と前任者との比較もなくなってきました。

 

この経験から私は、患者さんからクレームやお叱りを受ける際でも自分を正当化せず、まず患者さんの「肯定的意図は何だろう?」と自分に問いを持つことで、気持ちを落ち着けて患者さんと接することができるようになった気がします。

 

 

 

「あの人は脳梗塞だから仕方がない。」

「もともとのキャラクターもあるし仕方がない。」

「どんなに言っても変わらないから仕方がない。」

 

こんな医療者側に都合のいいように解釈することがはたして今の医療業界には蔓延しているような気がしています。

 

 

そんなときは先輩から教えられた言葉をお守りに、「患者さんを信じて、その思いを汲む」ことの大切さをいつも思い出しています。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

クライエントの目標達成に全力を尽くすプロコーチ。 モットーは「信頼」。 3姉妹の父親であり、幼い娘たちに翻弄される毎日。 Facbbook、Twitterでの友達申請・フォローお待ちしています!!