上司は「いい人」であるべきか?

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熱いポジティブ上司

みなさんこんにちは!
TCS認定コーチの村谷です。

最近TCS認定プロフェッショナルコーチの
森 真貴子さんが書籍を出されました。



「コーチングのプロが教える 超実践型1on1」

部下とのコミュニケーションに悩む
全ての上司に参考にして欲しいの
ですが、その内容の中で私が
引っ掛かった部分がありました。

それは「行き過ぎたポジティブ上司」
について書かれた部分です。
ここに描かれていることと、
私の知り合いがオーバーラップしたので
本日はこれをテーマにしてみます。

「君はやればできるんだから。」
「そんなこと気にするなよ!」
「次は上手くいくって!」
「皆誰しも通ってきた道だろ?」

どんな事があってもポジティブに励ましてくれる

いわゆる「いい人」は上司の理想型なのか?

私はちょっと違うと思っている。
ただその上司はとっても「いい人」ではある。

私がそのポジティブなAと出会ったのが、
彼が私の勤務する病院に実習生として
来た時だった。

Aはそのころからポジティブな雰囲気に
包まれていて、とにかく明るかった。
私もその明るく誠実な人柄に惹かれ、
一緒に働きたいと思った。

そして彼はこの病院に就職し
期待に違わぬポジティビティと真面目さ
で数年後ある部署のリーダーを任された。

無論、Aは部下の面倒をしっかり見て
時には一緒に飯に行く、相談にのるなど
「部下の成長を願う」ことに一生懸命
だったと記憶している。

じゃあ、さぞかしそのAの部署は
モチベーションも高く、良い雰囲気で
部下たちは働いていたのではと
想像する方もいるかもしれない。

しかし客観的にみると
必ずしもそうとは言えなかった。

上司が「いい人」だと部署はどうなるのか?

上司がいい人って悪くないんじゃない?

なんとその部署の配属になったスタッフの
約4割は配置換えを希望していたのだ。


上司が「いい人」で、責任感もあり指導も熱く
いつも相談になってくれてミスを責めず、
ポジティブに励ましてくれる


そんな「いい人」の下で働いて
いるからこそかもなと私は睨んでいる。

そんな事を匂わす出来事があった。

上司を困らす部下Bの存在

あるときAのもとに他部署でミスを連発していた
部下Bが配置された。
噂に違わずBはその部署でも同様だった。


・主治医の指示の確認を怠り
 歩行禁止の患者さんを歩かせる。

・患者さんの移乗方法に関して
 看護師に間違った方法を伝え、
 リハビリと看護サイドとの
 軋轢の原因になる。

・頼んだ仕事に対して返事は
 良いが、一向に仕上げる気配
 はなく、確認すると全く手を
 つけていなかった。

・自分が病棟でどんなことを
 してきたのか。何について
 相談すればいいのか、
 報告・連絡・相談ができない

これは氷山の一角で、Bの日常だった。

そう、Bは明らかに能力が低かったのだ。


他の職員と同じことができない。
マニュアルに従って指導しても
右から左に流れていく。

私も少し関わったが、おそらくなんらかの
発達障害があったのかもと思っている。

しかしAは「いい人」だった。
とにかく、Bを育てようと指導を熱心にして、
ミスを責めず、ポジティブに励まし続けた。

しかしBのミスはいっこうに減らない。

そのうちAはBの仕事に逐一口を出す
ようになった。しかし当然彼は管理職だ。
他にもやるべきことは山ほどある。
そのツケは必ずついてまわる。

Bにかかりっきりになっても、状況は
変わらないどころか、むしろBは悪い
方向に進展した。

Aに指導されればされるほど
Bは自分のできなさを突き付けられた
といったようだ。そのうちBは休む
ようになった。

上司Aはとっても「いい人」だ。
Bが休みがちになると、Aも徐々に
メンタルに変調をきたした。

加えてBに注力する上司Aをみている
周囲の部下たちは面白いはずがない。


えこひいき、承認が足りない、自分も
認めて欲しい。そんな社員較差を
感じるようになった部下たちは一様に
その上のトップに窮状を訴えるようになる。

板挟みに合った「いい人」の彼は
部門長にきつく咎められました。

結果リーダー降格を自ら希望しました。

「いい人」は「いい上司」になりえるのか?

理想の上司ってどんな上司かな?

そうなんです。
彼はとっても「いい人」だし、「いい上司」で
あろうと努力していた。

しかし、難しかった。
「いい人」であるがゆえに、Aを見すぎて
全体が見えていなかった。客観的に引いて、
できないものはできないと冷徹に考える部分も
持ち合わせないと、逆にスタッフ達を
不幸にしてしまう。

能力が足りないスタッフに、あらゆる手段を講じて
成長を促していくのは上司のエゴともいえないだろうか?

上司が期待すればするほど、それにこたえられない
Bの心中を察すると胸が苦しくなる。

そうやって押し付けの善意が無意識に人を苦しめている。

ある意味

ミスをしてもかばい
ポジティブな言葉で励まし
成長を促すのは

多くの場合、部下のためというよりも

「部下に嫌われたくない」
「周囲にいい人にみられたい」
「上に認められたい」

という無意識に上司自身の利己的な欲求が
あるのではないか?時々振り返る必要が
あると思う。

「いい人」は時に部下の成長の機会を妨げるし
自分が部下のためになんとかしなければ
なんてエゴの塊ではないのか?

自分が部下の成長を促せるならば、
職場全体を俯瞰し、どんな関わりを
すれば、一番効果的なのかを試行錯誤する。


ときには冷徹に切り捨てる覚悟をもつのも
上司として必要な事なのかなと思う。

最後にその後Aはどうなったか追記する。


リーダーを降りたAに対して上司たちは
「リーダーとは」みたいな偉そうな教育を
するわけでもなく、淡々と業務を与えた。

もともと能力が高く、持ち前のポジティブさが
あったので、部門のトップはAを
「放っておいた」のです。
すると勝手に立ち直り、勝手に生き生きと
仕事し出して勝手にリーダーになっていました。

これは無責任なことに見えて、とっても懐が深い
やり方だなと当時のトップの考え方に
驚いた次第です。

Aのことを「期待もせず、ただ信じるだけ」
でないとできない行動ですからね。

私はそんな懐の深いトップのもとに働けて
幸せでした。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。

この記事を書いた人

クライエントの目標達成に全力を尽くすプロコーチ。
モットーは「信頼」。
3姉妹の父親であり、幼い娘たちに翻弄される毎日。
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